月刊グリの6月号の「人を訪ねる」コーナーで取り上げて頂きました。   

緑区 えほんのみせ リトルベアさんにて、8月3日(水)〜8月8日(月)まで「輝く女性アーティストたち」に参加しました。  

最新号
人を尋ねる

 和紙としんちゅうを使ってデザインした照明が、工房の一角を柔らかく照らしている。「灯り工房・ゆらり」のオーナーであり、作家である高橋房子さんの作品だ。日々新しい作品づくりに取り組む高橋さんに、照明の魅力について語ってもらった。


「灯り工房・ゆらり」主宰 あかり作家
高橋房子さん
名古屋市緑区鳥澄2-109
Tel 052-623-1623
http://www.denden-yurari.com

「心が落ち着く照明を暮らしに取り入れて」と高橋さん  
 「もともと間接照明の柔らかい光が好きで、日常に取り入れていたんですが、自分が作る側になるとは、その時は思ってもいなかったですね」と語る高橋さん、長浜を旅行中に、たまたま入った店で和紙としんちゅうの照明に出合った。
 「こんなにきれいな照明があるなんてと、びっくり。いつか私もこのようなものを作れたらと思っていたところ、その作品の作者である先生が、名古屋で『照明塾』を開催すると聞いて、すぐ申し込みました」
 そこで半年の基礎コース、一年の講師養成コースを取り、みっちり勉強。しんちゅうの曲げ方、はんだ付け、和紙のデザインなどを本格的に学んだ。同時に照明コンサルタントの資格も取得し、空間に合わせた最適な光度や照度など、照明に関するアドバイザーとしても活躍の分野を広げている。

 

パステル調の照明作品群。やさしい色合いが美しい

 「照明の仕事にかかわって、つくづく思うことは、日本人は必要以上に照明を使っているということ。もちろん明るさが必要なところはじゅうぶん明るくすればいいのですが、すべての部屋に蛍光灯をつけておく必要はないと思うんですね。間接照明をいろいろなところに取り入れて、明かりのある生活を楽しんでいただけたらと思います」
 高橋さんの作品は、バラやハスの花、チョウチョなど自然のモチーフが多い。色合いもパステル調で、柔らかい印象だ。

高橋さんの工房。柔らかな照明が、ホッとくつろげる空間をつくり出している  
 「私の作品を取り付けてくださったお客様から、『子どもが夜中にトイレに行くことを怖がらなくなった。以前は、ベッドからトイレまでにある電気を全部つけて行っていたのに、高橋さんの照明はおだやかで、子どもも安心するみたい』という声をいただいた時は、本当にうれしかったです。明かり一つで、心が安定したり、ホッとできるんだということをお子さんが実感してくれてるんだなと思いました」
 日の出と共に起き、日の入りと共に体を休めるという、本来の人間の生体リズムを大切にしながら、夜は落ち着きのある明かりで身も心もリラックスする…。そんな上手な間接照明の取り入れ方を広めていきたいと考えているという。
 照明塾に通っていたころの仲間と「あかりつくり隊」を結成している高橋さんは、いろいろな場所で展示会を開いたり、講習会を開いたりして、心にも体にもやさしい照明を広めている。
 「間接照明という分野をさらに広げ、キャンドルづくりも始めています。電気を使わない分、人にも地球にもやさしい。明かりをそんな観点からもとらえていきたいですね」
 また工房のスペースを生かして、教室やワークショップも開催。照明以外でも、何かを創造していきたいというグループになら貸し出しもしているという。
 「照明にかかわりながら、さまざまな分野で活動する人たちと交流を深めていけたら」という思いから、緑区のボランティアグループ「こころとからだの支援ネット」にも参加し、照明を通じて、癒しやリラクゼーションの提唱をしている。

 

「落水」という和紙を使ったブルーの電灯。点灯すると水玉模様の光が散って幻想的だ

 「明かりに興味を持つことで、生活を見直したり、もっと楽しんだりできるきっかけになればうれしいです」
 さて、そんな高橋さんの作品だが、例えば壁のコンセントに接続するだけのソケットライト(3,800円〜)やスタンド型(8,000円〜)など、手軽に使えそうなものもたくさんある。結婚祝いや新築祝いなど、ギフトにも最適だ。色やデザインの好み、また予算にも応じてくれるので、興味のある人は問い合わせてみよう。